ネステナーの事故防止対策・耐震性能や落下防止対策について

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ネステナーの事故対策

中古マテハン買取・販売のマテバンクです。
本記事では物流倉庫でよく使われるマテハンの一つ、ネステナーの事故防止対策・耐震性能や落下防止対策について詳しく解説いたします。

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この記事のポイント

  • ネステナーの事故は「地震などの天災」「フォークリフト作業などの運用上の問題」の2つに大別される。
  • ネステナーは本来、揺れを逃がす「免震構造」で地震に強いが、共振や荷崩れのリスクも存在する。
  • 事故防止の鍵は、連結金具などの「ハード対策」、日常点検や安全教育などの「ソフト対策」を組み合わせること。
  • 安全な運用には、構造的な対策だけでなく、リスクアセスメントの実施従業員の安全意識向上が不可欠である。

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この記事のポイント

ネステナーで想定される事故について

ネステナーは、物流現場の省スペース化や可搬性の高さで重宝されるマテハン機器です。

一方で、便利な反面、地震などの自然災害や日常業務中の操作ミスにより、事故のリスクが伴うことも事実です。
現場の安全管理者にとって、事故の種類と発生要因を理解し、正しく対策を講じることは、安全な倉庫運営に欠かせない重要な役割です。

事故は大きく「地震などの天災によるもの」と、「フォークリフト接触や積載ミスなど運用上のミス」に分類されます。

これらの事故はヒヤリハットで済むものから、重大な人身事故・設備損壊に至るものまでさまざまです。

本記事では、事故の全体像とその対策について、構造・運用・教育の3つの観点から整理していきます。

地震等の天災による事故

日本は地震や台風など自然災害の多い国です。
倉庫で使用されるネステナーも例外ではなく、天災の影響を受けるリスクがあります。

特に地震時には、ネステナーの滑動、共振、荷崩れといったリスクが複合的に発生する可能性があるため、構造と設置環境を踏まえた対応が求められます。

ネステナーは揺れを逃がす「免震構造」で設計されているため、一定の耐震性が評価されていますが、滑動距離の想定や荷崩れのリスクは別途管理する必要があります。これらについては後述で詳しく説明します。

運用上の事故(フォークリフトによる破損、落下など)

もうひとつの大きなリスクが、日常業務における運用ミスです。

フォークリフトの操作不良、偏荷重、過積載、荷物の固定不足など、人為的なミスに起因する事故は、日々の現場で頻繁に発生しています。

接触による支柱の変形や、パレットごとの荷崩れは、見逃されやすい小さなミスの積み重ねによって発生します。

こうした事故は、点検・教育・ルール整備といった運用改善によって防止することが可能です。次章以降で詳細に解説します。

ネステナーの耐震性能について

ネステナーは、「免震構造」を活かして地震エネルギーを受け流す設計です。
地面とネステナーを固定しない事で、地震の力が支柱やフレームに直接伝わるのを防ぎます。
アンカー固定による運用が一般的なパレットラックとは対照的な運用方法となります。

ネステナーメーカーであるエレクターの公式Youtubeにアップロードされているネステナー耐震試験の動画では、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)を再現した震度7クラスの地震動を加えても、落下、倒壊の被害が防ぐ事ができるというシミュレーション結果を掲載しています。

耐震性能を大きく向上させるレールオンレール方式

ネステナーのうち、正ネステナーは一般的にレールオンレール方式と呼ばれる接合方式を採用しています。
上のレールを82度、下のレールを90度とそれぞれ異なる角度にすることで生まれるスキマがクッション効果を発揮し、耐震性能を向上させています。

ネステナー運用における地震防止対策

ネステナー運用における地震対策は、「免震構造」のメリットを保ちながら、暴走的な動きを抑制することがカギです。
具体的な対策は以下のとおりです。

  1. 設置床の水平の確認:ネステナーを設置する床が傾斜している場合、十分な耐震性能を発揮できません。水準器などで確認を行いましょう。
  2. 連結金具の使用:隣接するネステナー同士を連結することで、構造の一体化と安定性が向上します。特に上段同士の連結が重要です。(詳細は後述いたします)
  3. 耐震マットの活用:脚部に摩擦材を敷くことで滑動量を適度に抑制。完全固定せずに、滑りすぎない調整が可能です。
  4. 適正レイアウト:スライド時の衝突リスクを避けるため、壁や設備との間にスペースを確保。避難通路も妨げない配置が求められます。
  5. 積載物の安定化:PPバンドやストレッチフィルムでの荷物の固縛と、「重い荷物は下、軽い荷物は上」の原則を徹底しましょう。

ネステナーを固定(連結)させる事で耐震性能をアップ

ネステナーは複数台を横方向に連結することで構造全体の安定性が高まり、耐震性の向上が期待できます。

特に地震時には、ネステナーが個別に揺れると振動の共振や横倒れのリスクが高まる場合があります。これに対して、横方向の連結を行うことで、ネステナー同士が一体化した構造体のように動作し、揺れを面全体で分散して受け止めることが可能になります。

連結にはメーカー各社から販売されている連結ベルトを使用するのが一般的です。
ネステナーのフレーム同士を固定することで、ネステナーの揺れ幅を制御し、転倒や横ズレを抑制する効果が得られます。
特に2段目または3段目のフレームを固定することで大きな効果を発揮します。

ネステナーの製造元であるワコーパレット株式会社が公開している耐震実験の映像では、ネスベルトによって複数台を一体化することで、地震時の転倒リスクを大幅に低減できることが確認されています。

ネステナー運用における落下防止対策

荷物の落下は、作業者への重大な危険をもたらします。設置方法やレイアウト、オプション品などのハード面とフォークリフト運転や日常点検などのソフト面、両面での対策が必要です。

ハード面での対策

  • 落下防止バー:正面の開口部からの飛び出しを防止します。
  • メッシュパネル:側面・背面の荷崩れを防ぎ、不定形の荷物に有効です。
  • 中間棚/デッキボード:小型荷物を分割して収納し、安定性を向上。
  • フォークガイド:ツメの挿入位置を補助し、誤突入を防止します。

ソフト面での対策

  • フォークリフトの運転教育:徐行、死角確認、荷役の基本動作を定期指導。
  • 積載ルールの徹底:「重いものは下、中央に積載」の原則を周知。
  • 日常点検の習慣化:支柱の変形、溶接部の剥離、錆の有無などを始業前にチェック。
  • KYT(危険予知訓練)や事例共有:事故未遂を共有し、現場の危機感を維持。

まとめ|ネステナーを安全に運用するには

ネステナーの安全性を確保するには、「揺れを受け流す構造」「人による適切な運用管理」の両立が不可欠です。

ネステナーの構造的特性を正しく理解し、日々の管理と教育で補うことで、安全な倉庫環境を維持できます。安全対策は一度やって終わりではありません。継続的な見直しと現場の声を取り入れた改善が、事故のない現場づくりに繋がります。

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