今回は、物流倉庫などで広く使われ、マテバンクでも多数取り扱っておりますカゴ台車の修理方法をご紹介します。
キャスターが劣化したりフレームが曲がったりすると使いにくくなり、作業の生産性が落ちてしまいます。道具さえあれば簡単にできる修理方法もありますので、ぜひ参考にしていただいて、お持ちのカゴ台車を少しでも長く使っていただければ幸いです。
カゴ台車を修理してくれる業者さんがいらっしゃると思いますが、修理費は1台およそ1,000円以上になると思われます。この他に出張費や配送費用もかかるので、2~3台の修理でも数万円くらいかかってしまうこともあります。
カゴ台車本体のフレームが壊れて外れてしまったものを溶接しなければならないなど、特殊な技術や道具が必要な場合は、専門業者にお願いしないと修理は難しいですが、そうでなく簡単なもの、例えばフレームが歪んだだけ、キャスターのロックの調子がよくないといった故障は、道具さえあれば直すことができます。
この後これらの修理の方法をご紹介します。
修理可能な症状の例
本体フレームの歪み
カゴ台車本体フレームの歪みの大半は、大ハンマー(全長900程度、重さ6㎏程度)を使って直すことができます。
フレームの歪みを修正する際に使う大ハンマー
まずカゴ台車本体を倒して、歪んでいるパイプ(フレーム)が山の字を描くように寝かせます。そして歪んでいる部分を大ハンマーで叩く、これだけで平らな地面に打ち付けられてまっすぐに直っていきます。
それでも直らない時やフレームの接合部分から歪んでいる場合は、バールを使います。フレームとフレームの間にバールを差し込み、テコの原理を使って歪みを直します。大きめの力を加えなければ歪みが直らないため、全長900程度の長いバールを使うとよいです。
キャスターロックの不良
左:修理前、右:修理後
キャスターのロックが効かなくなってしまったら、こちらもバールを使って直すことができます。この症状は上図の写真のように、ロックをかけた状態でもブレーキがかかっていないことが原因で起こります。直し方はブレーキを解除し、てこの原理でブレーキの金属プレートを少しだけ車輪に近づけます。右側の写真のように、ロックをかけたときにブレーキの金属プレートが車輪にあたるようになったら修理完了です。
底板を固定するツメの故障(曲がり)
左:修理前、右:修理後
底板を下ろしたときにロックするツメですが、これが曲がってしまっていると底板がロックされずに浮いてしまったり、フレームが開いてしまったりすることになります。これはモンキーレンチで挟んで簡単に直すことができます。
キャスターの破損(キャスターの交換)
車輪のゴムの一部が剝れてしまっている。車輪交換するしかありません。
上の写真のようにキャスターが破損してしまった場合は、交換が必要です。キャスターは取付プレート付きでモノタロウさんなどで1個500~1,000円程度で販売されています。車輪幅、高さ、プレートのボルト穴径と取付位置の寸法が同じものを選んでください。交換に必要な道具はインパクトレンチです。カゴ台車本体を寝かせることで、ボルトが外しやすくなります。
終わりに
故障したカゴ台車は、業務効率が落ちるだけでなく、移動中に思わぬ事故の原因にもなります。廃棄するにもサイズが大きいため、倉庫や店先に放置されるケースも目立ちます。そのようなカゴ台車も修理すれば、廃棄費用が掛からず再利用できます。使えるカゴ台車が増えるので、買い替えや買い足しにかかる経費も削減できます。
カゴ台車の中古価格は、程度にもよりますが1台7,000円から10,000円前後(2019年9月現在)です。しかし修理で済むなら、道具さえ揃っていれば0円です。私たちマテバンクは、お客様が使われなくなる物流機器は買い取らせていただきますが、本当はまだ使いたいというものでしたら、お客様のコスト削減のためにも、また地球環境のためにも、できるだけ修理にトライしていただければと思っております。