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自動搬送ロボット(AGV)とは
AGV(Automated Guided Vehicle)は、自動搬送ロボットもしくは自動搬送車を指します。
AGVの歴史は長く、磁気誘導方式のAGVなどは工場などの現場で、古くから利用されてきました。近年ではAI技術を活用した自律誘導方式の物流倉庫向けの製品が数多く台頭し、その利用が世界的に拡がっています。
日本では、人手不足問題の解決策の一つとして期待されており、みなさまも耳にすることが多くなっているのではないでしょうか。
自動搬送ロボットの最新動向
まずはこの動画をご覧ください。
動画では若い女性が無数のAGVを管理している様子が描かれており、女性は「この子たちは私のベイビー」、「一日中ロボットと遊んでるのよ」とコメントしているのが印象的です。
Amazon blogによると、同社のデンバー倉庫に最新物流ロボット「ペガサス」が800台配備されており、ロボット工学のバックグラウンドがまったくない、この動画の女性を含むたったの5人で管理しているそうです。
「ペガサス」は配備から半年で、すでに241万キロを走破しており、今後、他の配送センターにも展開されていくそうです。
2012年にアマゾンがKiva Systemsを買収してから、物流現場における自動搬送ロボットの活用に一気に注目があつまり、世界中で、その開発・導入が進んでいます。
他の大掛かりなロボットと比べて、費用対効果が高いこともこの分野の盛り上がりの一つの要因でしょう。
自動搬送ロボットの紹介
自動搬送ロボットには、モノが人の方に移動するタイプ、GTP(Goods to Person)と、人と一緒に協調して動くタイプ、AMR(Autonomous Mobile Robot)に分類されます。動画とともにご紹介します。
Amazon Robotics/Kiva(キヴァ)
アマゾンが買収したKiva Systemsが開発したロボットで、商品棚の下もぐりこみ棚を持ち上げて、作業者のもとに商品棚ごと移動するタイプのロボットです。
日本ではアマゾン茨木フルフィルメントセンターとアマゾン川崎フルフィルメントセンターで導入されています。
GreyOrange/BUTLER(グレイオレンジ/バトラー)
こちらも商品棚が動くタイプのロボット。インドのグレイオレンジ社が開発し、GROUNDが独占販売権を保有している商品です。公開されている導入事例は下記となります。
・ニトリの西日本通販発送センターに79台
・大和ハウス工業「DPL市川」に39台
・トラスコ中山の物流センター「プラネット埼玉」に73台
Geek+/EVE(ギークプラス/イヴ)
これも商品棚が動くロボットです。中国企業のギークプラスが開発した商品で、アリババグループが採用したことで注目を浴びました。
日本ではアッカ・インターナショナルが手がけるビルケンシュトックジャパンの案件にて、プロロジスパーク千葉ニュータウンで稼働しています。
日立製作所/Racrew(ラックル)
もう一つ、商品棚が動くロボットです。日立製作所が製品化したロボットで工具通販大手MonotaROの笠間ディストリビューションセンターに導入されています。
Jakob Hatteland Computer/Autostore(オートストア)
ノルウェーのJakob Hatteland Computer社が開発した製品で、日本では岡村製作所が販売する製品です。
モノの方が作業者に移動してくるGTPタイプではあるものの、商品棚が動くタイプではありません。「ビン」と呼ばれる専用コンテナを高密度に収納し、「ポート」とよばれるピッキングステーションでピッキングすることを可能にしたロボットです。
国内ではニトリ、ジョンソンアンドジョンソン、コープさっぽろ、丸井などで導入されています。
LocusBots(ローカスボット)
こちらは作業者と協調して働くロボットです。このロボットは、作業者よりも先にピッキング対象の商品がおいてある棚付近に到着し、ピッキングする商品を教えてくれるという仕組みです。
THOUZER(サウザー)
Doog社が開発した、人のあとを追従して運搬する追従運搬ロボットです。ラインがひいてあればAGVのように無人で走行することも可能です。専用のアタッチメントにより、カゴ台車やハンドリフトを運搬することもできます。
日立物流首都圏が運営する千葉中央センターで導入されています。
ZMP/CarriRo(キャリロ)
ZMP社が開発した追随型の搬送ロボットです。サウザー同様にカゴ台車やハンドリフトを牽引できる他、パレット台車の下に潜り込んで、パレットごと搬送できるタイプもあります。
ヤマト運輸や佐川急便などの大手企業への導入事例もあります。
まとめ
今回紹介したロボットが適している業務は、EC倉庫やアパレル倉庫などの業務で、比較的軽量で小さい商品を小ロット、多頻度に動かす業務です。
今後は大型で重量のある荷物を取り扱うロボットも実用化されてくるでしょう。
また、コンシュマー配送におけるラストワンマイルで活躍するロボット(Amazon ScoutやHakobotなど)も実現に向けて実証実験が繰り返されています。
これらが実現すると、物流サプライチェーンの全体でロボットが活躍するようになり、完全自動運転制御のトラックも含めて、ロボットたちが協調して働くことになるかもしれません。
ロボットのハードウェア自体はすでにコモディティ化してきました。どのソリューションを選択するのかは、裏でロボットを制御するソフトウェアの完成度やサービスの継続性、拡張性や連携性の高さがポイントになってくるのではないかと考えます。
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