倉庫の高さを活かして、安全に保管効率を向上させたい場合、ネステナーやパレットラックなどの物流機器を導入するのが一般的です。
物流機器を導入せずに、直接、荷物を積み重ねて保管すると、荷物の破損や落下事故などの危険が高くなります。
今回の記事では、保管効率の向上に用いられる代表的な物流機器であるネステナーとパレットラックについて、どちらを導入すべきか、それぞれの特徴や使い方、事例なども交えて比較・説明いたします。
Contents
ネステナーの特徴
ネステナーの平面上のサイズはほぼパレット1枚分の大きさとなり、パレット約2枚分の大きさのパレットラックと比較して、設置レイアウトの自由度が高く、様々な間取りの倉庫に柔軟に対応できます。そのため、レイアウトを変更したり、倉庫移転をおこなう場合、倉庫の形状を気にせずに自由にレイアウトすることができます。
また、ネステナーは設置の際に組立・解体作業が必要なく、また床へのアンカー固定も必要ありません。フォークリフトさえあれば容易に設置、撤去、レイアウト変更が可能です。
さらに、ネステナーを使用しないときは、ネステナーを積み重ねて保管することで、ネステナー設置スペース自体を圧縮し、そこを他の目的に有効活用することができます。
ネステナーについて詳しく解説した記事を下記に公開しておりますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
ネステナーとは? 種類や選び方も解説。
パレットラックの特徴
前述の通り、パレットラックの平面上のサイズはネステナーよりも大きくなります。また、スペース効率を向上させるため、導入する倉庫の間取りに合わせて、複数台を連結したレイアウトに設定するのが一般的です。そのため、いちど設定した設置レイアウトを変更する場合、部材上の無駄が発生してしまいます。
また、設置レイアウトの変更には組立・解体作業、アンカー固定が伴うため、手間とコストがかかります。
ネステナーにはないパレットラックの特徴として、棚の段の高さを自由に調整できることがあげられます。1段目は高さ2m、2段目は高さ1.5mなど、保管物に合わせて柔軟に設定できるため、より保管効率が高く、また、取り扱う荷物が変わった場合でも機器を入れ替えずに対応することが可能です。
パレットラックについて詳しく解説した記事を下記に公開しております。ご興味のある方は是非ご覧ください。
パレットラック(重量ラック、重量棚)とは?
保管効率の比較
ここではネステナーとパレットラックの保管効率の違いを「面積」と「高さ」に着眼して説明します。
面積比較
日本で最も多く用いられている1100mm×1100mmのパレット12枚を格納する場合のネステナー、パレットラックのそれぞれの設置面積は下記ようになります。
ネステナー
上図の通り、ネステナーはパレットに対して横幅150mm、奥行き50㎜、荷役操作のための余裕を設けるのが一般的です。
パレットラック
パレットラックもパレット1枚に対して、横幅の余裕は150mmとネステナーと同様ですが、奥行きについては、構造上、余裕は必要なく、パレットのサイズと同じサイズですみます。
このように面積上の保管効率を見ると、横幅は柱幅に依存し、奥行きはパレットラックの方が50mmだけ効率がよくなりますが、パレットラックもネステナーも保管効率はほぼ変わりません。
高さ比較
ネステナーもパレットラックも高さは用途によって、自由に設定することができます。ここでは、どちらの方がより高さを活かした保管が可能なのかを比較してみたいと思います。
ネステナー
ネステナーは安全性を保つために積み重ねても最大4m程度にとどめる必要があり、例えば、高さ1200mmのネステナーの場合は3段段積みまでで、高さ1700mmのネステナーの場合は2段段積みまでとなります。
パレットラック
これ対してパレットラックは倉庫の高さに合わせて例えば6mや7mといったような仕様にもすることが可能です。
このように天井高が高い倉庫で最大限に高さを活かしたい場合は、パレットラックの方が適しています。
移動しやすさの比較
つぎに倉庫移転やレイアウト変更の場合など、移設のしやすさについて比較してみます。
ネステナーは、アンカー固定を必要としないため、倉庫移転やレイアウト変更にも柔軟に対応でき、倉庫退去時の原状回復コストと手間も抑えられます。
一方でパレットラックは高さや連結レイアウトなど、設置する倉庫に合わせて設定するため、別の倉庫に移設する場合、移設先倉庫の天井高が低かったり(高かったり)、また倉庫の形状が違うために連結レイアウトが変わってしまうことが多く、部材上の無駄が発生することがあります。
そのため、移設のしやすさではネステナーの方が適していると言えます。
価格比較
物流機器の導入にあたっては、導入コストも重要な判断材料となります。パレットラックとネステナー、導入コストはどちらがお得なのでしょうか?
例として、新品の逆ネステナーとパレットラックそれぞれで、90パレット保管する場合の1パレットあたりの導入コストを比較してみます。
※新品価格、設置・解体費用はおおよその相場から算出した参考値となります
逆ネステナー
仕様:W1350×D1200×H1770(mm) 耐荷重1000㎏/段
新品価格:14,500円/台
90パレット保管時の必要台数:60台(天地3段(2段積み))
導入コスト:870,000円
1パレットあたりの導入コスト:約9,667円
パレットラック
仕様:W2500×D1100×H4500(mm)天地3段 耐荷重2000㎏/段(1パレット1000㎏
新品価格:単体44,000円/台、連結31,000円/台
90パレット保管時必要数:15台(設置レイアウト:5連結×3列)
設置費用:約120,000円、解体費用:約60,000円
導入コスト:504,000円(設置・解体費用を含めると約684,000円)
1パレットあたりの導入コスト:約7,600円(設置・解体費用を含む)
1パレットあたりの導入コストはパレットラックの方が安くなることがわかります。
ネステナーとパレットラック、どちらにすればいいのか?
ここまでの説明でネステナーとパレットラックの特徴を理解していただけたかと思います。
ここでは、ネステナーとパレットラックのどちらを選択すればよいのか、事例を交えて説明します。
ネステナーが適しているケース
- 季節によって繁閑があり、必要となる保管スペースが変わる場合:衣料品や飲料品、寝具を扱う業務など。ネステナーを利用することで、繁忙期にはネステナーで保管量を高めて、閑散期にはネステナー設置エリア自体を縮小して他の用途に利用することができます。
- 短期間の保管業務の場合。ネステナーであれば設置の手間が少なく、保管業務の終了後、解体作業が必要ありません。また、別拠点へ転用する際も移設先倉庫の形状を問いません(もし、自社内で活用できない場合は『マテバンク』ですぐに高値買取させていただきます)。
- 近い将来、倉庫移転や統合の予定がある場合。上記②と同様の理由で、ネステナーがお勧めです。
パレットラックが適しているケース
- 天井高が高い倉庫の場合。近年、賃貸型の物流倉庫を中心に天井高が6mや7mある倉庫が増えています。パレットラックであれば、これらの倉庫スペックをしっかりと活用し、保管効率を最大化することができます。
- 多様な荷姿の荷物を扱う場合。パレットラックであれば、パレットに収まらない長物でも保管が可能です。また、棚段の高さを自由に調整できるため、荷姿がバラバラであっても最大限の保管効率を保つことができます。
中古品のすすめ
倉庫内の物流機器は直接、お客様の目に触れるものではありません。ネステナーやパレットラックをはじめとする物流機器類は仕様さえ合っていれば、必ずしも新品である必要はありません。我々は導入コストが削減できて、そのうえ地球環境にも貢献できる、中古商品がベストな選択肢であると考えております。
『マテバンク』では様々な仕様のネステナー、パレットラックの中古品を豊富に取り扱っています。
新品と中古品の価格比較
ネステナー
新品:14,500円
中古品:11,000円
パレットラック
新品:単体44,000円、連結31,000円
中古品:単体26,100円、連結17,850円
物流機器の導入を検討する際は、まずは『マテバンク』で要求仕様に合う中古商品がないか、ぜひ探してみてください。
レンタルのすすめ
『マテバンク』では中古品をベースにした格安のレンタルサービスも提供しています。
パレットラックは一度にまとまった数を導入することが多く、導入コストが高くなりがちです。レンタルサービスを利用することでコストを平準化することができ、導入のハードルを下げることができます。
また、ネステナーは設置・解体工事が必要なく手軽に設置・撤去ができるため、季節波動対応や一時的な業務に対応するのに適しており、レンタルサービスとの相性は抜群です。
マテバンクではネステナー、パレットラックのレンタル専用在庫を多数取り揃えております。
中古品を扱うマテバンクならではのお得な価格でご提供しておりますので是非ご覧ください。
※台数と期間によって価格は変動いたします。
≪関連ブログ:「ネステナーのレンタルもお任せください!中古品を活用したお得なレンタルをマテバンクが開始」≫
物流機器のレンタルをご検討されている方も、ぜひ『マテバンク』にお問い合わせください。
マテバンクのレンタル価格
ネステナーレンタル費用(日額):10円~/台
パレットラックレンタル費用(日額):28円~/台
※価格はレンタル期間や台数で変動します